桐箪笥/泉州留川
材木産業のメッカ 岸和田で続く大阪の伝統「桐箪笥」
岸和田市
大阪の発展とともに歴史を歩む桐箪笥
今回は大阪府岸和田市で桐箪笥を作られている「泉州留河」さんに伺ってきました。
実はここ岸和田で作られている「桐箪笥」が経済産業大臣指定伝統的工芸品にも指定される大阪の伝統工芸であることをご存知でしょうか?
そもそも大阪で桐箪笥が発展したのは、大阪が流通の拠点になる場所であり、人々が着物や衣類をたくさん持つようになり、それを収納する為、桐の箪笥が重宝されたためだそうです。
100年以上の歴史を持つ「泉州留河」
「泉州留河」さんは100年以上の歴史がある会社で、大阪泉州桐箪笥製造協同組合を設立し瑞寶賞や大阪府知事賞などを授与されているそう!
工場内に広がる、木の香り
さて、早速工場を案内していただきました。まずは大きな木材をカットしたり、継ぎ合せたりする場所!
切断面から見える年輪の目が、均等で細かいほど良い木材なんだそうです。また、箱や箪笥を作るために切り出した板をつなぎ合わせて大きな一枚の板にしたりもします。
職人技が詰まった商品の数々
工場の2階に上がると、箱や箪笥の形になった商品がたくさん置いてありました。こちらは米びつです。1合ずつ出せるような仕組みになっているそうです。
職人さんお二人で全ての作業を行なっているそうです。作業場には様々な道具が溢れています!
思い出の詰まった大切な家具を守る
また古い箪笥などの修理もされていて、家族から譲りうけたという思い出の詰まった家具が多く運ばれてくるそう!
屋上にずらりと並ぶ桐
屋上に上がると乾燥させるために、たくさんの桐が並べられていました。だいたい1年ほどは屋上に出したままで、雨などが降ってもそのままとのこと!乾燥機にかけるよりも一度雨などで濡らして、また乾かすという繰り返しの方がしっかりと中まで乾くそうです。
木の皮が反って剥がれ落ちてくると、しっかり乾いてきている証拠!
どうして「桐」がいいの?
ここで改めて「桐」という木の特性についてお伺いしました。
「桐」は防虫効果があるだけでなく、水分を中に通しにくく防湿に優れています。そのため箪笥など衣類をしまうのにはとてもいいそう!また、樹木の中でも熱伝導の数値が低いため燃えにくい木材でもあるそう!「焼桐」という表面を焼いて加工したものはさらに燃えにくいんだとか。そのため金庫などにも用いられています。
時代にあった方法で、思い出を守ります
桐で作った炭は臭い取りの効果もあります。留河さんではこちらも作られています。
最近では、古くなった桐箪笥を修理するだけではなく別の形に変えることで、今の時代にあった形で使い続けることができるようにできないかと新しい取り組みをされているそうです。
箪笥や箱だけでなく、新しい形で今後も私たちの生活に桐という素材が馴染むのが楽しみです!
泉州留河さん、この度は貴重なお話をありがとうございました。