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大醤株式会社

大阪で唯一の醤油造りをする会社「大醤」

堺市

大阪で唯一、醤油造りを行う会社
堺市にある「大醤株式会社」さんは、200年の歴史がある大阪唯一の醤油造りをしている会社です。
今回は大阪の醤油についてお話を伺ってきました。

ソース文化の大阪?
いえいえ!実は醤油も歴史があるんです
大醤さんは昭和45年に「大阪醤油」という名前を由来として現在の社名で設立されました。
粉もん文化の大阪といえばソースじゃないの?なんで醤油??と思う方もいるかもしれませんが、そもそも堺は江戸時代初期から中期にかけて醤油の産地だったそうです。
醤油発祥の地と言われる和歌山県湯浅町と紀州街道で繋がっていたこと、また大阪の中心部に近いことなど地理的なメリットが多く堺に醤油造りが広まったのだとか!

しかし、多い時には198軒もあったという醤油屋も、
江戸後期には醤油生産が関東へと移っていき徐々に堺から醤油造りが減少。そんな頃に醤油業を始めたのが「河内屋又兵衛」という人でした。河内屋又兵衛が創業した「河又醤油」が大醤の前身になります。

今では残る1社となっているそうですが、伝統の製法を引き継ぎ続けているのが大醤さんです!!

まずは醤油についてしっかり学びます
工場を見学する前に、醤油について少し勉強をさせていただきました。
そもそも醤油って何で出来ているのか知っていますか?
醤油は、大豆と小麦と食塩、そしてこうじ菌の酵素の働きによって作られています。
大豆を使っているということはなんとなく知っていても、小麦も結構たくさん含まれているとは知らず少しびっくりでした・・・!!

そして、それらの原料の配合の差などにより日本の醤油は「濃口醤油」「薄口醤油」「たまり醤油」「再仕込み醤油」「しろ醤油」の5種類に分類されています。
色から勘違いされることも多いそうですが、「うすくち醤油」の方が「こいくち醤油」よりも塩分が約1割多いそうです。「たまり醤油」はほとんど大豆のみで作られている醤油で、逆に「しろ醤油」は小麦をメインに使います。大豆で出来ているのが醤油だと思っていただけに、ほとんど小麦で作られている醤油があるのは意外でした!
「再仕込み醤油」は、名前の通り「再度仕込む」つまり2回醸造しているもの。2回の醸造により色も濃く少しとろみを帯びた醤油になります。

毎日、大量の材料が運ばれてきます
醤油のお話をしっかり伺ったところで、工場へ!
まず最初に見せていただいたのは、大豆、小麦、食塩の3種類の原料が運び込まれる大きなタンク。
トラックでそれぞれの原料の決まったタンクで運び込まれます。

職人の五感が醤油の味の決め手
大豆は蒸煮缶で圧力をかけて蒸し、小麦は炒ってひき割り、種こうじと混ぜ「むろ」と呼ばれる部屋へ送られます。
原料が「むろ」で3日2晩かけてこうじになります。こうして出来あがったこうじに食塩を加え、発酵タンクで約6ヶ月熟成させるともろみが出来上がります。
発酵タンク内を常に適温に保つ必要があり、さらに発酵熟成を促すためにタンク内をかくはんする必要があります。ここが醤油造りでは最も重要な工程とされ、機械化の進む中でかくはん時期や具合を決めるのは今でも職人さんの五感だそうです。

ぎゅぎゅっと絞って美味しい醤油の完成
次に「圧搾場」と呼ばれる場所に移動しました。
出来上がったもろみは「しぼり布」と呼ばれる布に入った状態で何層にも重ねられていきます。
1日目はもろみ自体の重さで少しずつ圧力がかかり、2日目からは「油圧圧搾機」と呼ばれる機械によって徐々に圧力をかけていきます。3日目には700トンという強力な圧力でしぼりあげられていきます。

最後までこだわり抜いて美味しさを守ります
圧搾機にかけられしぼり切った布は、この丸い機械の中をぐるぐると回ることで水分を出し切って残ったもろみと分離していきます。
出来上がった醤油は加熱殺菌などの処理を経て、容器につめられていきます。最後の容器詰めからラベル貼りまではすべて自動化され衛生管理を徹底しているそうです。
なんとなく知っているつもりだった醤油ですが、大阪で醤油造りをしている会社がある!ということから始まり、その歴史や製造工程など、新しい発見ばかりでした!!
大醤さんでは、創業者の名前を使ったこだわりの醤油「河内屋又兵衛」のほか「キムチぽんず」のような変わった商品も出されています!大阪で出来た醤油をぜひ味わってみてください!

大醤さん、今回は貴重なお話ありがとうございました!

更新日

2017.10.19

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